○亘理町教育委員会セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する要綱

平成21年9月1日

教育委員会訓令第2号

(趣旨)

第1条 この要綱は、亘理町教育委員会内のセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにセクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合の措置に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるとおりとする。

(1) セクシュアル・ハラスメント 職員、児童生徒等及び関係者間における他の者を不快にさせる性的な言動

(2) セクシュアル・ハラスメントに起因する問題 セクシュアル・ハラスメントのため職員の就労上又は児童生徒等の就学上の環境が害されること及びセクシュアル・ハラスメントヘの対応に起因して職員が就労上又は児童生徒等が就学上の不利益を受けること。

(職員の責務)

第3条 職員は、セクシュアル・ハラスメントを行うことがないよう、別表に定める指針に従い、自らの言動に注意しなければならない。

(所属長の責務)

第4条 所属長は、セクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。

(研修等)

第5条 教育長は、セクシュアル・ハラスメントの防止等を図るため、職員に対し、必要な研修等を実施するものとする。

(相談担当職員)

第6条 セクシュアル・ハラスメントに関する苦情の申出又は相談(以下「苦情相談」という。)に対応するため、各所属に苦情相談を受け付ける担当職員(以下「相談担当職員」という。)を置き、当該職員には、班長の職にある者のうち1人及び各学校にあっては、教頭の職にある者をもって充てる。

2 前項に定める者のほか、各所属の長が特に指定する職員を相談担当職員とすることができる。なお、この場合において両性の相談担当職員が配置されることとなるよう努めるものとする。

3 相談担当職員は、セクシュアル・ハラスメントの直接の被害者だけでなく、他の職員から苦情相談が寄せられた場合にもこれに対応するものとする。

4 苦情相談を受け付けた相談担当職員は、セクシュアル・ハラスメント苦情相談受付票(別記様式)により、その内容を記録するものとする。

(相談又は苦情の処理)

第7条 セクシュアル・ハラスメントに関する苦情相談があった場合は、相談担当職員は、速やかに次に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 相談担当職員は、調査及び確認の結果、セクシュアル・ハラスメントが事実であると判断された場合は、適切な指導、助言及び措置を行い、必要に応じて所属長と連絡調整を行い当該問題を迅速に解決するよう努めるものとする。

(2) 亘理町教育委員会教育総務課の相談担当職員は、他の相談担当職員から相談等があった場合には、必要に応じて苦情相談の申出をした職員から直接事情聴取を行うなどして、セクシュアル・ハラスメントの態様に応じた適切な指導、助言及び措置を行うこと。

(プライバシーの保護等)

第8条 相談担当職員及び関係者は、関係者のプライバシーを尊重するとともに、知り得た秘密を厳守しなければならない。

(不利益な取扱いの禁止)

第9条 所属長及び職員は、セクシュアル・ハラスメントに対する拒否、セクシュアル・ハラスメントに対する苦情の申し出、当該苦情に係る調査への協力、その他セクシュアル・ハラスメントに関して正当な対応をした職員又は児童生徒等に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

(措置等)

第10条 セクシュアル・ハラスメントを行った職員に対しては、懲戒処分その他必要な措置を講ずるものとする。

(その他)

第11条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、教育長が別に定める。

この訓令は、平成21年11月1日から施行する。

(令和2年3月31日教委訓令第1号)

この訓令は、令和2年4月1日から施行する。

別表(第3条関係)

セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する指針

第1 セクシュアル・ハラスメントをしないようにするために職員が認識すべき事項

1 意識の重要性

セクシュアル・ハラスメントをしないためには、職員一人ひとりが次の事項について十分に認識しなければならない。

(1) お互いの人格を尊重しあうこと。

(2) お互いが大切なパートナーであるという意識を持つこと。

(3) 相手を性的な関心の対象としてのみ見る意識をなくすこと。

(4) 異性を劣った性として見る意識をなくすこと。

2 基本的な心構え

(1) 性に関する言動の受け止め方には男女間や個人間で差があるが、セクシュアル・ハラスメントに当たるか否かについては、相手方がどのように受け取るかが最も重要である。

具体的には、次の点について注意する必要がある。

① 親しさを表すつもりの言動であったとしても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせてしまうことがあること。

② 不快に感じるか否かには個人差があること。

③ この程度のことは、相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと。

④ 相手との良好な人間関係ができていると勝手な思い込みをしないこと。

(2) 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。

(3) セクシュアル・ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。

セクシュアル・ハラスメントを受けても、職場での人間関係の悪化を考えて、明確な拒否の意思表示をできない場合があることを十分に認識する必要がある。

(4) セクシュアル・ハラスメントは、職場内に限らないこと。

(例) 職場外であっても、親睦会など、職場の人間関係がそのまま持続している席での言動は、セクシュアル・ハラスメントになり得る。

(5) セクシュアル・ハラスメントは、職員間に限らないこと。

(例) 窓口業務等で接することとなる一般住民、児童生徒、保護者、卒業生、関係業者等との関係においても起こり得る。

3 セクシュアル・ハラスメントになり得る言動

セクシュアル・ハラスメントになり得る言動として、例えば、次のようなものがある。

(1) 職場の内外を問わず起きやすいもの

① 性的な内容の発言関係

ア 性的な関心及び欲求に起因するもの

・ スリーサイズを質問するなど、身体的特徴を話題にすること。

・ 聞くに堪えない卑わいな冗談を交わすこと。

・ 体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」などと言うこと。

・ 性的な経験や性生活について質問すること。

・ 性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象とすること。

イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの

・ 「女には仕事は任せられない」、「女性は職場の花でさえあればいい」、「女みたいな考え方をするな」、「もう少し女らしい服装をしたらどうか」、「女性なのに気が利かない」、「男のくせに根性がない」などと発言すること。

・ 「男の子、女の子」、「お嬢さん、おねえさん(おねえちゃん)」、「おじさん、おばさん」などと人格を否定するような呼び方をすること。

・ 幼児に対する話し言葉で話しかけること。

② 性的な行動関係

ア 性的な関心、欲求に基づくもの

・ 雑誌のグラビア等の卑わいな写真、記事等をわざと見せ、読み上げ、又は話題にすること。

・ 身体を執拗に眺め回すこと。

・ 食事、酒宴、デート等にしつこく誘うこと。

・ 性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙やEメールを送ること。

・ 肩を揉むなど、身体に不必要に接触すること。

イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの

・ 女性であるというだけで職場でお茶入れ、掃除、私用等を強要すること。

(臨時・非常勤職員であることを理由としても、これらのことを強要してはならない。)

・ 女性であることを理由として、軽易な仕事のみをさせること。

(2) 主に職場外において起こるもの

① 性的な行動関係

ア 性的な関心、欲求に基づくもの

・ 性的な関係を強要しようとすること。

イ 性別により差別しようとする意識等に基づくもの

・ 酒席で、あらかじめ上司の側に座席を指定したり、女性職員を各テーブルに均等に配置すること。

・ カラオケのデュエット、お酌、ダンス等を強要すること。

・ 男性という理由で、飲酒を無理強いすること。

第2 良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項

1 職場内のセクシュアル・ハラスメントの問題を提起する者を「問題職員」として見ないこと。

2 セクシュアル・ハラスメントを加害者・被害者の当事者間のみの問題として片付けないこと。

3 セクシュアル・ハラスメントの発生を防止するため、周囲に対する気配りをし、積極的に対応すること。

(1) セクシュアル・ハラスメントが見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。

(2) 被害を受けていることを見聞きした場合には、声をかけて相談に乗ること。

被害を受けている者は「恥ずかしい」、「問題を起こす職員とのレッテルを貼られたくない」などと考え、相談することをためらうことがある。

被害を深刻にしないように、気が付いたことがあれば、まわりの人間が声をかけて気軽に相談にのることが大切である。

4 職場においてセクシュアル・ハラスメントがある場合には、第三者として気持ちよく勤務できる環境づくりをする上で、上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。

第3 セクシュアル・ハラスメントに起因する問題が生じた場合において、職員に望まれる事項

1 基本的な心構え

(1) 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しない。

セクシュアル・ハラスメントを無視したり受け流したりしているだけでは、必ずしも状況は改善されない。

(2) 行動を起こすことをためらわないこと。

被害を深刻なものにしない、他に被害者をつくらない、さらにはセクシュアル・ハラスメントをなくすことは、自分だけでの問題ではなく、良い勤務環境の形成に重要であるとの考えに立って、勇気を出して行動することが求められる。

2 被害を受けたと思うときにとるべき対応

(1) 嫌なことは、相手に対して明確に意思表示すること。

はっきりと自分の意思を相手に伝えることが重要であり、直接相手に言いにくい場合は、手紙等の手段をとるという方法もある。

(2) セクシュアル・ハラスメントを受けた日時、内容等についてメモしておくこと。

(3) 職場の同僚や知人等の身近で信頼できる人に相談すること。

第4 児童生徒等への指導

児童生徒等がかかわるセクシュアル・ハラスメントの防止等のためには、児童生徒等が本指針の趣旨を理解するように努める必要があるが、その際、児童生徒等の心身の発達段階等を考慮し、実情に応じた適切な指導を行い、必要かつ適正な教育活動が確保されるよう、適切な配慮が望まれる。

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亘理町教育委員会セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する要綱

平成21年9月1日 教育委員会訓令第2号

(令和2年4月1日施行)