宮城県を代表する、亘理町発祥の秋の味覚『はらこめし』。

古くから伝わるそのルーツや作り方に迫ります。

 

 

江戸時代から食べられている由緒正しい『らこめし』

年間を通じて80種類以上の魚介類が水揚げされる亘理町荒浜で、秋の訪れと共に活況を見せるのが秋鮭漁です。脂ののった身はもちろん、宝石のように美しいハラコ(イクラ)は秋の味覚として親しまれています。中でも『はらこめし』は、宮城県を代表する郷土料理として人気を集め、全国の食通を喜ばせています。

はらこめしが誕生したのは江戸時代。仙台藩の初代藩主・伊達政宗公が、当時から鮭漁が盛んだった亘理町を訪れた際、地元の人たちが歓待の真心を込めて鮭とハラコを素材とするはらこめしを献上。政宗公はあまりの美味しさに感嘆したと伝えられています。以来、はらこめしは亘理町の郷土料理として定着。秋の風物詩として長年愛され続けています。

 

 

な手仕事が織りなすこれが亘理の『はらこめし』

亘理のはらこめしには作り手の工夫と優しさが込められています。まずはタレを準備。薄口醤油1、日本酒1、砂糖2分の1の割合で作ったタレで秋鮭のアラを煮込み、その煮汁でご飯を炊きあげます。アラを煮込む際にタレの分量が少なくなったら日本酒をプラス。煮汁から取り出したアラは炊き込みご飯に混ぜるので、冷ました後は骨が混ざらないよう丁寧にほぐしていきます。最大の特徴が、沸騰した煮汁でハラコを10秒弱煮ることです。このひと手間でハラコにまろやかさとコクが加わります。鮭の切身も煮汁の旨みが染み入るよう一切れずつ入れていきます。炊きあがったご飯にほぐした身を混ぜて盛りつければ、鮭とハラコの旨みを閉じこめた贅沢なはらこめしの完成です。

 

 

深いみの秘訣は煮汁にあり

秋のお祭りはもちろん、誕生会を始めとする祝い事の席などで食されることが多い亘理のはらこめし。切身だけでなく、ハラコも火を通しているのでお弁当としても親しまれています。そんなはらこめしを作る上で欠かせないのが、脂ののった秋鮭とハラコの旨みが染みわたる煮汁です。作り終えた後に余った煮汁は、ペットボトルなどに入れて冷凍保存。次にはらこめしを作る際には、保存している煮汁にタレを継ぎ足していきます。この継ぎ足しこそが亘理のはらこめしの美味しさの秘訣。最初よりは2回目、2回目よりは3回目と作る回数を重ねるたびに旨みが凝縮し、味わい深いはらこめしができ上がるのです。

 

 

一番おいしいのは庭のはらこめし

はらこめしの継承や子どもたちの食育に努めているのが『亘理町食生活改善推進員協議会』(清野珠美子会長)のみなさんです。亘理高校や中央公民館などで調理実習を行っているほか、東日本大震災後には仮設住宅で料理教室『おいしい輪』を開催し、料理を通した震災復興にも取り組んでいます。「私たちの作るはらこめしは世界で2番目。一番おいしいのは各家庭で作られるはらこめしです。」と清野会長は話します。

はらこめしの調理法には、炊きあがった白いご飯にタレを少しずつ加えながら混ぜる『おか混ぜ』もあり、この方法では、『炊き込み』に比べて、塩分を加減して調理することができます。協議会では、健康的な食事の推進のため『おか混ぜ』の調理法も教えながら、世界で2番目においしいはらこめし”をこれからも伝えていきます。

 

 

地元のおかあさんが教える『世界で2番目においしい』はらこめしの作り方

ハラコ(イクラ)を取った鮭を三枚におろした後、ハラスと背ビレの部分を切り落とします。

皮をそいだ鮭の身を食べやすい大きさにカットします。

アラや切身、ハラコを煮るタレを作ります。料理酒を使わないこともポイント。

タレにアラや中骨を加えて煮込んでいきます。煮汁はご飯を炊くのに使います。

ご飯を炊いている間にアラの身をほぐし、煮汁を使ってハラコを煮ていきます。

ほぐした身を混ぜ合わせた炊き込みご飯に、旨みが染み込んだ切身とハラコを盛りつけます。

 

 (広報わたり2018年10月号掲載)

 

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